相手が将来のことやお金のことを考えてくれない。お金にだらしない人とは別れた方がいいの？(22歳・女性）

彼に意識を変えてもらう必要がありますが、「こうしてほしい」と伝えたところでうまくいきません。子どもが「勉強しなさい」と言われたら余計に勉強したくなくなるのと同じように、人間は、何かをしなさいと言われたら反発したくなるのです。そのため、相手も気づかないような、こっそりとしたアプローチの仕方で相手の意識を変えるのがおすすめです。その方法は後ほどお伝えしますが、まずはどうして彼がお金にだらしなく、将来のことを考えてくれないのかを考えてみましょう。

女性は妊娠、出産する機能が備わっていることもあり、男性と比べて将来のことを、当事者として現実的に考える傾向にあります。一方で男性は女性と比べて現実から目を背け、問題を先送りにしがちで、特に恋愛や結婚生活においてはその傾向が強いです。つまり、今の彼は当事者意識が弱いためにお金にだらしなく、将来のことも考えていない状態なので、彼に当事者意識をもってもらうようなアプローチが必要なのです。

さてその方法ですが、それは彼に決定権を与えることです。決裁権と言っても良いかもしれません。日常生活では、2人の間で何かを決めることが多々ありますよね。例えば、「お昼ごはん何にする？」とか、「何の映画観る？」とか、そういった「小さな決断」を要するときに、すべて彼に決断させるのです。決断をすると必然的に当事者意識が高まりますので、これを繰り返すことで彼は「当事者」となります。お金のことや結婚のことは大きな決断になりますので、「決断慣れ」していない人はいきなりは難しいのです。上記のような日々の小さなことから彼に決断させることで、決断の練習をしてもらいましょう。

余談ですが、私自身、根っからの甘えん坊で人を頼りやすく、学生時代は当事者意識を持たずに生きていました。しかし、大学生で就職活動をしている時に、親から、「お前の人生だからお前が決めろ。もう大人なんだからお父さんもお母さんも知ったこっちゃない」と言われ、急に目が覚めました。それまで親の目や他人の目を気にして、まるで親の人生や他人の人生を生きているような感覚があったのが、急に「自分の人生を生きていいんだ」とか、「自分で決めていかないといけないんだ」という自覚が生まれました。

少し話が逸れてしまいましたが、彼にもご相談者様との今後を、「自分の人生」としてとらえてもらい、自分で決めていってもらう必要があります。そのためにも小さなことから決断を積み重ねる経験が必要で、ご相談者様はこっそりとそういう環境を作ることで遠回しに彼に、「あなたの人生なんだからあなたが決めなさい」と伝え続けてください。ちなみに、彼が決断したことにはご相談者様はできるだけ従ってください。ご相談者様の意思と反することもあるかもしれませんが、よほど道理に反していない限りは従ってあげましょう。4年も付き合っているのですから彼もご相談者様の考えと大幅にずれた決断はしないでしょうし、彼に決断慣れをしてもらうためには必要なことです。

ところで、「お金にだらしない人とは別れたほうが良いのか？」という質問の答えですが、私は現状では別れるのはおすすめしません。ご説明したように、彼にはまだ“伸びしろ”があり、決断の練習をすることで意識が変わる可能性があるからです。ただし、2人で貯めたお金をギャンブルで溶かしたり、ほかの女性に使っていたりするような場合には別れたほうがいいこともあります。

「頼りない人がリーダーに抜擢されて決裁権を与えられると、途端にしっかり者になった」というのはよくあるケースです。ご相談者様は、2人の間で彼にリーダーになってもらうイメージを持つといいかもしれませんね。
繰り返すようですが、日常の些細なことから彼に決裁権を与えて当事者意識を持たせるようにし、彼の変化が見えてきたらお金の話、将来の話も少しずつ出していきましょう。そうすれば今よりも必ず具体的な話ができるようになるはずですよ。