ワープアの婚活について(44歳・女性）

私は結婚相談所に勤務して約15年、現役バリバリのスタッフです！
内容を拝見いたしました。大変切実なお悩みですね。
しかし、今回の質問者様のお気持ち（「好きかどうかわからない」というもの）、これ実は「あるある」なんです。

まず第一に、女性に年齢の事を申し上げるのは大変失礼ですが、質問者様のご年代になりますと、10代20代の頃と比較して色々と考えるべき事も増え、人生経験も積んでこられていますので、簡単に「人を好きになる」「燃え上がる様な気持ちになる」という風にはいかなくなってきます。
（これは一般論なので、質問者様に必ず当てはまるという訳ではありません。個人差があります）
という事で、正直、2度ほどお会いされただけでは気持ちが上がりきらない、というのは何の不自然も無い事かと思われます。

「好きなら何とかお金を工面して会いにいくはず」というあたりは、その通りだと思います。
今はまだ、そこまで質問者様のお気持ちが上がっていないという事を表しております。これは事実です。
では今回のお相手様は生涯のパートナーではないのでしょうか？その様に結論付けてしまうのはちょっと早計かと思います。

質問者様は結婚を見据えた交際を考えていらっしゃる様なので敢えて申し上げますと、人の「好意」には「恋愛向きの好意」と「結婚向きの好意」という、2つの種類があります。
「恋愛向けの好意」は「ドーパミン的愛情」というものですが、これはどういうものかと申しますと10代、20代の頃によく経験する様な、恋愛マンガや映画に出てくる様な「燃え上がる様な恋」のイメージです。
「あの人の事を考えると何も手につかない」「会えない時に何をしてるか気になって仕方ない」「早くまた会いたい」「ドキドキする」という感じですね。ご想像に難くないと思います。

対して「結婚向きの好意」は「オキシトシン的愛情」というもので、平穏無事な、広い海の様なイメージです。
家族に対する愛情に近いでしょうか。「一緒に居て自然体」「飾らない自分でいられる」「気を使わない」「ただしドキドキはしない」というのが特徴で、これは前者に比べて愛情が長続きしやすいのが特徴です。
つまり前者は短距離走、後者は長距離走。結婚はどちらのタイプが向いているか、は言わずもがなですね。
結婚相手を探す時には後者の愛情を探すべきなのに、愛情とは前者の様なもの、前者じゃないので好きじゃない、と結論づける方が多いんです。
（もっとも、質問者様は「そんな事わかってるよ」と仰るかもしれませんが・・・それなら偉そうな事を言ってすみません。）

今のお相手様は質問者様の事を褒めてくださっているので、先方様からの好意もある事がわかります。
では、あとは質問者様が先方様に対して「オキシトシン的愛情」を持てるか、ですね。
質問者様も薄々お気付きでいらっしゃる様に、女性も男性も年齢が上がると機会が減ってきます。
その中で、特段大きな不満が無い、というのはそれだけでポイントが高いという事を踏まえて、一歩踏み出して頂きたいのです。

何をどの様に一歩踏み出すのか、という事ですが、今回のご交際の気になるポイント。会った時は「他愛も無い話ばかり」というところですね。ここは早めに殻を破った方が良いです。
ズルズルとこのまま、何の判断もつかずに時間だけ経過してしまう可能性があります。まだ今だと十分軌道修正が間に合います。将来の話とか、理想の家庭とか、深い話をして初めて好意が生まれてくるんです。失礼ですが現在の様なデートでは気持ちの進みようがないんです。一生一緒に居たいと思えるかどうかは、深い話をしてみないとわからないんです。
思い切って、建設的な話をしてみてください。理想の家庭像は。結婚とはどういうものか。パートナーに求めること。将来設計は。良いも悪いも、話が進みます。良い内容であればそれに越した事は無いですし、仮に悪い方向に行ったとしても「早めにわかって良かった」の結論でプラスに考えます。
無難なデートばかりをこなす意味はあまり無いので、もう一度申し上げますが今後、「建設的なデート」を心掛けてください。質問者様の「今やるべきこと」はこれだけです。ご自身のお気持ちについて自問自答されなくても良いんです。この点を心掛けていただければ、自ずと結果が出て参ります。以上、少しでもご参考になれば幸いです。